「では、誓いのキスを」


 ベールを上げた椿(祝詞)と静が向き合う。

 「…覚えておけよ」

 「…言われなくとも永遠に」


 口と口が触れ合う瞬間、互いが互いの記憶をこの日限りは封印しようと決めることが成立した。