「お母さん、あれ。飲みたい」 「水?」 「……うん」 私は日に日に記憶が無くなっていく。 それとともに、体の自由も利かなくなる。 だから、最後に竜へ手紙を書くの。 竜へ わがままでごめんなさい。 私、竜が好きだよ。 大好き。 付き合ってくれて、ありがとう。 最後に。 私のわがまま聞いてくれると嬉しいです。 ──次付き合う子は、私みたいな子を選ばないで。 千里 私の想い。 届くといいな。