私が泣いてても何も思わないの?

 きっと何も感じてない。

 母の目からは、何も読み取れないから。

 白い蛍光灯の灯りのせいなのか、この空気のせいなのか、母の顔には黒い影ができていた。

 そこから覗く2つの目によって、不気味さが目立っていた。

 床はもう私の体温で生温かくなっていた。

 ただ、泣いてるだけの私に、母は静かに吐き捨てるようにこう言い放った。


“あんたなんて産まなければよかった”


 私の涙は止まらなかった。