笑っちゃう。

 込み上げてきたのは“笑い”ではなく“涙”だった。

 悲しいとゆう感情は無いと思っていたけど、体は正直だった。

 目から流れた涙は頬をつたい、フローリングにあとを残した。

 濡れた目で辺りを見ると、全てが歪んでみえた。

 ぐにゃんと歪んだ世界は、私の心を落ち着かせた。

 私は現実の世界から逃げたいんだと思う。

 この醜く卑劣な現実から。

 この目の前の母から。

 そんな母の顔もよく見えなかった。