あたしが目覚めたのはあれから約5時間後。

 ずっと寝たような状態だった。

 でもあれは寝たとかじゃなくて、急に意識がなくなったんだ。

 なんかすごく背筋が寒い。

 背中に手をあてると汗で湿っていた。

 なにかを見た気がする、でも脳内がぼやけてうまく思い出せない。

 なんだったんだろう。

 思い出せなくても、すごく嫌な感じだ。

 ゴッ!!!

 ものすごい音とうめき声。

「いてぇ…。」

 !?

 ベッドから覗くと、空が本棚の角に頭をぶつけた状態だった。

「そ…ら…。…………。きゃーーーー!!」

「んぁ?起きたか。全く寝すぎなんだよ海は…。」

「ちょっと!!勝手に人の部屋はいんないでよ!!」

「ったく、どんだけ自己中なんだよ。いきなり倒れたと思ったら寝てるし。廊下に放置すんのもどうかと思ったから、あの人に運ぶように頼まれたんだよ…。」