「ちょっと、待って。」

「…」

 …無視かよ。

「ねぇってば!」

 肩を掴んで、ようやく彼の顔を見ることができた。 

「そ…ら?」

 どう見ても、この顔はそうだった。

 忘れるわけがない。

 私の命の恩人。

「空…でしょ?」

「海。また会ったね。」

 空はそう言って空き部屋に入っていってしまった。

 どうなってるの…?