「お!起きたね~。」

 明るい声。

 神木悟…父親がキッチンに立っていた。

「なんか食べる~?」

「いらないです。」

「…そっかぁ。」

 私はソファーに浅く座りテレビをつけた。

 くだらないニュースばかりが流れてる。

 見たこともないアナウンサーが原稿を読み上げていく。

 スラスラとテンポ良く言葉を並べても、頭の中には入ってこなかった。

 リビングには、私と悟さん。

 だからかな、テレビをつけたままにしていた。