ごそごそと動かしていた手を、いきなりテーブルに叩きつけた。

 バンッ!!とゆう音が静かだったリビングにこだました。

 電気をつけているのに、どんよりとした空気が流れた。

 テーブルの上には、くしゃっと丸められた1000円札と小銭が置かれていた。

「これで酒とたばこ買ってきて。」

「…無理だよ。あたし…未成年だから…。」

 思ったより弱々しい声が出た。

 いくら大きな声を出しても、母には届かない。

「さっさと行け!!」