足がゆっくりと動き出し、ペダルをこぐ。

 風が、体の熱を吸い取る。

 気持ちい…。

 今は素直に、このままでいたいと思ってしまった。

 空の背中…大きくて、がっしりしてる。

 そっと、触れてみると、空が少しビクンと震えた。

「おい、くすぐったいから~(笑)」

「あ、ごめんなさい。」

「触るなら、こうしてくれた方がいい。」

 と、私の腕が空のお腹にまわった。

「これなら、問題ないしょ?」

 想定外、全てが予想外だ。