激しく抵抗していたけど、彼と目があった瞬間…

 …その瞳に胸の高鳴りが止まらなくなった。

 とくん…。

 とくん…。

 とくん…。

 規則正しく脈を打つ。

「あ…ごめん。なんか気になって。」

 そっと手を離し、1歩下がった。

 彼の瞳は、とても綺麗だった。

 少し驚いただけで、嫌とゆう感情はなかった。

「…泣いてんの?」

「え…?」

 自覚が無かった。

 透明の雫が、私の頬を伝っていることが。