しばらく黙っていると、突然彼の方から近づいてきた。

 サク…サク…サク…。

 砂を踏む音がかすかに聞こえる。

 距離が縮まる。

「やだ…。来ないで…来ないでよ!!」

 ザブ…ザブ…ザブ…。

 砂の音から水の音に変わった。

 彼との距離が…

 50cm…30cm…10cm…5cm…。

 …0…。

 腕を掴まれた。