どうか私を連れ去ってください。

 沈んでいく私の体。

 水はもう、足首まできていた。

「お母さん、ごめんね。さようなら。」

 目をつぶり、足を進めていく。

 この時、誰かに見られていたなんて想像もしていなかった。