その砂を静かに寄ってくる波がさらう。

 削られた砂浜は、少し湿っていて、冷たかった。

 来ては戻る。

 海は忙しそうだ。

 眺めていたら、家に帰りたくなくなった。

 家に帰るとゆうことは、わざわざ殴られにいくようなものだ。

 そんなところに、行きたいと思う?

 母は、私が帰らないことを心配しているだろうか。

 …きっとなにも感じてないよね。

 私なんか、いてもいなくても同じだもんね。