この場所は、空と海…どっちも見えるから好きなんだ。

 月明かりの光で、水面がキラキラしていた。

 いつも気づけば、私の足はここに来ていた。

 泣く時は、ここで我慢せずに思い切り泣いた。

 辛いこと、苦しいことがあると、必ずここに来て泣くようにした。

 少しずつ、心が軽くなっていく気がした。

 気持ちのいい風が髪を踊らせる。

 砂浜に投げたされた私の足は、埋まっていく。

 少し蹴ってみると、サラサラの砂は辺りに飛び散った。