歩く度に痛みが増してきて、また涙がこぼれた。

 母から言われた、あの1言が耳から離れない。

”産まなきゃよかった”

 その1言が私の心をざわつかせた。

 あの光景が脳裏をよぎる。

 いらない…いらない…いらない…。

 私…いらないの?

 涙が1粒。

 とっさに上を見た。

 夜空に輝く星たちは、今の私にはまぶし過ぎた。

 歩きながら、手を空にのばす。

 すごく遠いのに、届きそうな気がした。