紅はどちらかと言うと、キレイ系の美人だから………カワイイ系の幹居は、また違った魅力があった。


「あっ、千梨、私の家この近くだから、それじゃあね」


幹居は信号で止まったオレに知らせると、背中を見せる。


「あ……幹居……」


呼び止めかけて、口を手で覆った。


危ねっ………


オレ、“もうちょっと一緒にいないか?”なんて、言っちまう所だった――――…


「分かった………気をつけろよ」


オレは幹居とまだいたい欲求を我慢して、家に戻る幹居の背中を眺めていた。


なんだか……アイツといた時間、楽だったなぁ。