ポリポリ頬を掻きながら、歩き続けるオレ。


「沖津君………」


あっ……そうだ、いい事考えついた!!


クルッと半回転して、幹居と向かい合う。


「幹居、さっきも言ったけど、オレの事呼び捨てにしろ。そしたら機嫌なおるから」


ニヤリと条件を突きつけると、今度は幹居が瞬きを繰り返した。


「呼……呼び捨て?名前で呼んだら、許してくれるの………?」


1回だけ、首を縦に動かした。


さて……幹居はどうするかな?


暫くすると、幹居のプルプルの唇が開いた。




「………千梨………」




……//////