でも本っっ当に、幹居オレの事知らなかったっつーのかよ!!


「………ハァ………」


無意識でため息が零れ落ちる。


すると、幹居が焦った様に謝り出した。


「ごめんなさい!私、あの、人の顔と名前覚えるの苦手で………えと、お名前何て言うのかな………?」


――――高校に入学して、2ヶ月以上。


未だにオレの名前所か存在すら知らない女がいるとは、信じられなかった。


知良………お前の推理、見事当たったぜ。


否定して悪かったな……今度何かおごるわ。


「オレの名前は、沖津 千梨。クラスはお前の隣の1―C」