ちょっと待てよ………コラ。


色々あり過ぎて、頭がついて行けねぇんだけど!


「え?本気でオレの名前知らねぇの?お前……」


恐る恐る尋ねると、幹居が色白の肌に二重でちょっとタレ目の、とてもカワイイ顔を上げた。


「うん……私アナタの事、見た事無いの。ごめんなさい」


ハァ~~~!?


知らないのは名前だけじゃなくて、“存在自体”だったのか!?


口をあんぐりと開けてると、屋上で知良に言われた言葉が蘇った。


『もしかして、だけど、幹居ってお前の事知らないんじゃね?』


あの時は……“あり得ねぇ”って否定した。