「なんなんだよ、お前。普通顔と声しか好きじゃない奴を押し倒すか?

…あ、でも性欲のためには誰だって押し倒すか…」



人間って、怖いな。

いや、俺はそんなことのために押し倒したりしないけどね。



「…先生、なに言ってんの?」

「は?」



ネクタイを外し終えた優が、自分のネクタイを外しながらそう言った。

なにって…なに?



「だって優が『先生の顔と声だけが好き』って言ったんじゃんか」