「ママ仕事だから行けないけど、ちゃんと式には出るのよ」

「う〜ぃ。行ってきま〜」





チンタラ歩いて学校へ向かう。

おろしたてのブレザーが
やけに窮屈に感じる。





川沿いは

危なっかしいほど

桜が満開だ。







「おーいユキ〜」

「お〜」



学校の手前で
幼なじみのゴウが手を振りながら駆け寄ってきた。

新しい環境に
新しい出会いに
この危なっかしい桜吹雪以上に
ゴウはスキップらんらんでうっとうしい。



「なんかおまえヤなカンジのブレザーだなぁ〜」

「あー…、ゴメンね??似合いすぎちゃって」

「ぅはぁ〜ウゼ〜ェ!!ストレートにイヤミなスケコマシ…マジうぜぇ〜」

「わかったわかった。とにかく親睦会〜」

「そうソレ!!さすがユキちゃん☆やっぱり素敵〜」

「いいからキモイ。離れろ」



「てか…リンちゃんは??」





「………知らね」