「絢ちゃん……」
「夏夜くん……」
星々が舞い落ちる月明かりの下、私たちは初めて唇を重ねた。
「夏夜くん……好きだよ」
夏くん。
私はあなた以外に愛せる人を見つけました。
全部、あなたのおかけだよ。
夏くんが死んだ時、私は自分を責めた。
とっても苦しかった。
だけど、それを救ってくれたのはあなただった。
あなたは私の永遠の愛しい人--。
夏くん、ありがとう。
フワァァァ……。
優しい風が吹いた。
風が頭を撫で、頬をくすぐる。
どこか、温かい感じがした。
……気のせいじゃない。
この風はあなたなんだ。
私は風をそっとすくい、手に掴むと胸に抱いた。
「夏くん、ありがとう。ありがとう……」
涙一つない、とびきりの笑顔で風に向かって笑いかける。
私が言い終わると同時に風はするりと手をすり抜け、姿を声へと変えて夜空へと消えていった。
「絢。幸せにな……」