「……手紙?」
夏くんは受け取った手紙を不思議そうに見つめている。
「これ……読んで。今、読んでほしい……」
私に促され、一つ頷くと手紙の封を切った。
「ねえ、絢ちゃん。手紙って……?」
夏夜くんが聞いた。
「秘密」
「絢ちゃんと夏海だけの秘密か……いいなぁ、俺も入れてよ」
夏夜くんは暗い雰囲気を盛り上げようとしているのか、笑いながら言う。
「駄目。無理っ」
私もそれに応えるように笑顔で返した。
「何でだよっ」
「駄目なものは駄目なの」
私たちがそうやって笑い合っている間、夏くんは真剣に私の手紙を読んでいた。