もし、あの時。 私が助けを呼んでいたら、夏くんは絶対に助かってたんだ。 足がガクガクと震えだす。 弱い私は夏くんの苦しみよりも、自分の事を優先した。 夏くん……あの時、微かに聞こえた声は。 『あや……っ』 あの声は。 ……あなたの、最後の希望の光を求める声だったんだね。 あの時、私は。 夏くんを見捨てた……んだね。