「いちごちゃんさあ、自分が悪いって思いこんでるけど、


 一つも悪くないじゃん。


 中2でなんとも思ってない奴に告られて優しくできる奴なんていないだろ。


 それだって、


 自分の周りに酷い事されていいほどの事をいってないじゃん。


 そいつが悪いのはどう見たって明らかだろ。


 なんで、そんなに自分を責めてるんだよ。」




「そうだよ、監禁までされて、なんでまだ、自分を責めてるの。


 好き勝手やって逃げてった奴に。


 残って頑張ったいちごちゃんを責める資格なんかないはずだよ。
 
 
 昨日気づけなかったって気にしてるけど。


 忘れて当然なんだよ。


 でなきゃ、生きていくの辛すぎるじゃない。」


依ちゃんはあたしを抱きしめて。

「かわいそうに、5年間も誰にも言えなかったんでしょう。


 いちごちゃん、いいんだよもっとみんなに甘えて。


 そんなに抱え込んでたなんて、つらかったね。」


 依ちゃんの言葉ははあたしの張りつめていた心を溶かして、


あたしは、俯いたまま止まらない涙で依ちゃんの肩を濡らしてしまった。