それでもさらに強くなる手の力に耐える事ができない。


意識が遠退く寸前だったと思う。



「月森!!」



突然視界が揺れ、私の首から新条の手が離れた。


「ゲホッゲホゲホ…ッ」


目の前には新条が倒れていて、私はというと…片瀬くんにお姫様抱っこされていた。


その事に気がついて、急に恥ずかしさが込み上げてきた。



「片瀬くんあの、おろして?自分で立てるよ。」



自分で声に出して、ちゃんと声になっていることに気がついた。