『…っあ』



答えは分かるけど…声が出せない。


そうこうしているうちに、先生が半ば苛ついた様子でこちらを見てくる。

後ろでガタンッとイスの動く音がした。



「先生~その問題、月森さんの代わりに僕が解いてもいいですか??」



そう言ったのは片瀬くんだった。


片瀬くんはスラスラと問題の答えを言うと、先生が落ち着いた声で「正解だ。」と言った。


ほっとした私は、片瀬くんの方をチラッと見た。