「あっ、あぁ。……、あの、ご、めんね。
浮気って、思ったらさぁ……、何か、悲しくなっちゃって……」


『浮気?』


「あ、……」



やばい、頭の中で考えてたことをそのまま言っちゃった。



「あ、あの、ね。
今のは……、えっと、そのー」


『何で、浮気だって知ってるわけ?』


「は?彰宏、認めるの?」


『あぁ。だって実際そうだし?
なんだぁ!もしかして、知り合いだった?』



開き直ったみたいに次々と明るく話しだす彰宏に、何だかとてつもなく腹が立ってきた。



「知り合いなわけないでしょ!?
嘘なんてすぐにばれるに決まってるじゃない!」


『そうなんだよなぁ。
それなのに、嘘ってついちゃうもんなんだよね』


「ついちゃうもんなんだよね……って、そんな呑気に言ってる場合じゃないでしょ!」


『いや、そうなんだけどさ。
僕にはあんまり関係ないから、つい、ね』


「彰宏に関係ないわけないでしょ!?何言ってるの?
思いっきり当事者じゃない!!」


『確かに、ある意味では当事者かもね……。
って、どうして果歩がそんなに怒ってるの?』