一瞬にして静まる教室。
は「……斎藤…くん?」
翔「島崎さん可哀想じゃん。いつまで笑ってんの?」
前を見ると斎藤くんが顔をしかめながらそう言葉を発していた。
明「…いや…その…」
先生「斎藤の言う通りだ。静かにしろ。続き呼ぶぞー」
庇ってくれたんだ…
は「…斎藤くん…」
翔「気にすんなよ。」
は「うん…ありがとう…。」
翔「……ん…。」
斎藤くんは私の顔からさっと目を離して前を向いた。
優しいなぁ…
かっこいいだけじゃなくて優しいんだ…
なんか…苦しい。
なんでだろ。
私は多分、自分の気持ちに気付いているんだ。
でも
傷付くのが怖くて。
そんな自分が嫌いで。
ほんとは…もっと素直になりたい。
堂々と恋がしたい…。
《島崎さん可哀想じゃん。》
その言葉が嬉しくて…
私は、斎藤くんに恋をしたって気付いたんだ。