「よーし、今日は列対抗リレーやるぞ!!」


「リレーかよー…。」



最悪だ…。
なんでこんな日にリレーなんだ…。
体育教師よ…お前が走ってろ。



「じゃ、前後でチームな。走る順番はお前らで決めろよー。」


「っし!!前の奴らに勝とうぜ!!」



出た。
やたらと、やる気がある熱血生徒。
暑苦しい。



「あ…っと…。
あのさ、アンカー走ってくれるかな?」


「……いいよ。」


「ありがとう!!」



僕に話しかけてきた男にアンカーを走ってほしいと言われ、了承した。

それにしても俺がアンカーでいいのだろうか…。
俺より速い奴はいるだろうに。
めんどくさい。



「それじゃ、始めるぞ!!
第一走者!!」


「「うぃーっす!」」


「負けんなよ~!!」


「勝てよ~!!」



そんなこんなで始まった対抗リレー。

なんだかんだ言っていた奴らも暑くなっている。


「アンカー出ろ!!」


「はー…。」



ゆっくり前に出た。
僕と走る相手はーー…



「ぜってー、負けねーぞ!!」



拳を前に出してニカッと笑った。



「ぜってー負けんなよ!!」

「うん。」



肩をポンッと叩いた熱血くんに返事をして位置についた。