「……わかった。
私と…十番組は残っているわよね?
十番組に行かせる。」
「!!
私は?!」
「あなたは先日の戦でけがをしてまだ傷が残っている。
治すことに専念しなさい」
「…でも!!」
「これは命令よ」
有無を言わさない口調で言うと、しずは力なくうなずいた。
「あなたにお願いが二つあるわ」
「?」
「一つ。
私が死んだら、この忍びの頭になること」
「…ッ」
「もう一つ…。
この城に龍が訪ねてきたら…、
今から書く文を渡しておくれ」
「…ゆい…ッ」
「これは、最初で最後の私と貴女の…女の約束よ」
思えば、私たちはこういう風に女らしい会話や約束をしたことがなかった。
私たちの間には、いつだって上下関係があったから。
しずは、部屋の中に入り私の背中を見つめていた
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