去っていく背中を見つめる。
















ああ、やっぱりすきだなあ。




ゆいと呼ぶ声も、しぐさもすべて





全てがいとおしい

















部屋にこもっていると、外に人の気配がした










「…誰だ」

「しず、です」











しず。それはこの忍びの中で副頭を務めており、私と一番仲のいい忍びの一人だった。






私が、龍に思いを寄せていることを知っている人








「…この城の外で不審な動きあり。


 最近勢力を伸ばしている向坂城の忍びだと思われます。




 今、忍びの多くがほかの任務に行っており、出撃できるのはせいぜい3,4人ほど。


 向坂の忍びは手ごわいので、今の人数で出撃したら相討ちがいいところでしょう




 …どうしますか」










しずは苦しそうに一文字一句を紡ぐ。









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