忍びで色恋は厳禁、それが暗黙のルール。








それをこの頭の私が破りかけているというのは、どれほど滑稽なことなんだろうか。










お互いを取り巻く環境も忘れて、ただただ笑いあう幸せな時間。







そして、彼が行く時間になり私たちは手を振りあう。









「龍、またね!」

「あぁ、ゆいもな」









"またね"






その言葉は、死と隣り合わせにあるこの世界ではなかなか言えない言葉。





明日生きているかわからないのに、いつ会えるかわからない人との約束をするのはおかしいのかもしれない






でも、それでも彼にまた会いたいから、私は彼と約束をする。









「あ。ゆい」

「…?」

「次に会えたら、言いたいことがあるんだ」

「え、あ、うん」

「だから、その時まで…


 生きてておくれよ」

「…もちろんッ!

 龍こそ死んだら呪うからね!」













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