いった………くな、い。




「え!?」




パッと目の前を見る、が。


視界は真っ暗。


そこで初めて、誰かに守られたんだと悟った。




「…ゆ…う」

「…っ!?春日!?」




あたしの変わりに撃たれたのは、春日だった。


春日は浅い呼吸をしながらも、あたしの名前を呼んだ。



か、すが…が、撃た…れ、た…。




「何で!?何で守ったんだよ!!何で春日が撃たれんだよ!!!!!あた…っ俺が撃たれるはずだったのに…っ!!!」

「ゆ…う」




そんな春日の声も聞こえないあたしは、泣き叫んでいた。


どうしてどうしてどうしてどうして。






「何で春日なんだよぉおおっ!!!!!!」





しん、と静まるその場に、あたしの声が響き渡った。


分かってる。今更こんなこと言ったって、どうにもならないことくらい。





「よか、った。お前が…死な、なく…て」

「馬鹿!喋んな!絶対助けるから。きゅ、救急「ユウ」…っ」




救急車を呼ぼうと必死にケータイを探すあたしの名前を、春日は口にした。


その瞳は真剣なもので、あたしは動かしていた手を止めた。





「ユウ、も…いい、から」

「大丈夫だから、助けるから」

「お前が、生きてて良か…った」

「黙ってろって!」




泣きながら怒鳴るあたしに、春日はフッと微笑み、言った。







「……ユウ、愛して…る」





そして、春日は静かに目を閉じた。