そして、音無のその動きが合図かのように、周りの幹部達は次々と動いた。
「……っ!?」
何だ、コイツら。下っ端とは比べられない程───強い。
蝶華の幹部と互角に戦っている。
「ね?俺、強いっしょ?」
「……ちっ」
いつの間にか音無はあたしの近くにいて、瑠羽は他の幹部に向かわれていた。
マジで全国レベルだぞコイツら。
今まで姿を見せなかったのが不思議だ。
不意に、音無は笑った。その笑みは背筋がゾクッとする程で。
「俺さあ、アンタのことマジで潰したいんだよね」
そう言った音無は笑ってなんていなくて。
さっきまでの口調ともガラリと変わっていた。
あたしでさえ、恐怖を感じるほどの低い声だった。
「…死んでくんない?」
思わず目を見開く。
カチャ、音無が懐から出したのは、拳銃だった。
ヤバい。こんな近くからじゃ、避けきれない…。
「死ね」
「ユウ──っ!」
バンッ