ちっ、あたしに勝つってか。
それだけ自信があんだよな…?
「暴蝶、自分を忘れんなよ?」
「騎士…分かってる」
「総長は俺らが守るから」
「Killer…。よし、おめえら!知らねえ族だからって油断すんなよ」
「「「「おお!」」」」
そして、あたし達“蝶華”と、得体の知れない“隠蛇”との抗争が始まった。
バキッ
ドゴッ
ガスッ
骨と骨のぶつかる鈍い音が鳴り響く。
瑠羽はあたしに近づく敵を確実に倒していた。
晃太は人一倍スタミナがあるから、色んなところに援助しに行っている。
嵐牙は素早い動きで敵を翻弄させている。
春日は数多くの敵を確実に倒していく。
あたしは、まだ出番がない。
瑠羽のお陰で。
この通り、今のところは蝶華が押している。
向こうの下っ端もどんどん減っていく。
……しかし、幹部は誰ひとり、攻撃を仕掛けてくることもない。
コイツらは本当に蝶華を潰すつもりなのか…?
────隠蛇の下っ端は、全員倒れた。
「なあ暴蝶、コイツらはどういうつもりなんだ…?」
「俺にも分からない」
ただ、本当に潰す気なら、そろそろ動くんだろう。