「…なあ」




沈黙が続く中、佐賀野が口を開いた。




「何でお前、俺らのこと名字で呼ぶんだ?」

「は?…何となくだけど。特に意味はねえ」




「つうかお前もだろ」と、佐賀野に言えばフッと笑い「そうだな」と言った。


ちっ、イケメンは何をしても格好がつくんだな。ズリイ…。




「なら名前で呼べよ」

「はあ?まあ良いけどよ…」




どういう展開でそうなったんだよ。


えーっと?佐賀野は…恭…恭…




「恭弥、だっけ?」

「そうだ」




恭弥は満足そうに言った。


よかった、あってたんだな。




「んでー、真辺はー…藍…鬼?」

「そうです」

「そこの寝てる奴は、天海…勇汰。で…関西弁野郎が、白…我?」

「か、関西弁野郎て酷いなあ。ま、当たりやで」




おお、俺全問正解。


すると、魁斗は悲しそうに、不満そうにこちらをジトッと見た。




「なんで僕の名前だけ忘れてたの!」

「……わりぃ」




それくらいでグチグチ言うなよな。




「……ところで、」

「ん?」

「俺は何のためにここに来たんだ?」




一番の疑問を投げかけた。