「単刀直入に聞くけど、お前…何者だ?」
「…………は?」
真剣に言う佐賀野の言葉に俺は唖然とした。
だって、は…?それしか言葉がねえよ。
「すまんなあ。調べさせてもらったんよ」
「あっそ…。んで?何か収穫はありましたか?」
何も掴まれてない自信があるけどな。
俺が聞くと、琥珀の五人は顔を歪ませた。
あぁ、俺の思った通りだな。
「何も出なかった。おかしくねえか?」
天海はムクッと起きて言った。
あ、今日は起きてたんだな。
……じゃなくて。
「どこが?」
「藍鬼は県No.1のハッキングの腕を持ってんだぞ?」
「…ふーん?」
所詮、“県”No.1だろ。
こっちは“世界”No.1のハッカーが着いてんだよ。
たかが県No.1が勝てるわけねえだろーが。
「何故だ?」
「何故?フッ…簡単だ。そっちよりもデカイのが俺のバックにいんだよ」
「なんだと?お前は、何者なんだ」
「…男子高校生?あ、ちげえ。ダサ男だな。お前らこそ何者だよ。まぁ、もう知ってるけどよ。“県No.1の琥珀”さん」
ピク…俺の言葉に全員が反応した。
へえ…知ってることが意外だったんだ?
「何故知ってる」
きっと総長だ、と勝手に推測した佐賀野が言った。
コイツら何でも知りたがるガキかよ。
何故何故うるせえ。
「ただコウ…先生に教えてもらっただけだよ」