「あ、優哉来たっ」
教室に入ると、藤堂と真辺が待ち構えていた。
今度はなんなんだよ…。
すると、二人は笑顔で俺の腕を掴んできた。
「なんだよ」
「ちょっと…来てもらえますか?」
「嫌だ」
「お願い優哉~」
「ウザい、キモい、女」
「女じゃないっ!」
「はあ…。分かったよ…」
このまま引きそうにもないしな。
仕方なく二人に引っ張られて行った。
そして着いた屋上。
結局はここらしい。
そこには佐賀野や天海、西神もいて、全員集合っていう感じだ。
だけど、コイツら───琥珀、だっけ?
その琥珀が俺を呼び出す理由が分からない。
俺…何かしたっけ?
「おい」
「…何かミスったか…?」
「おい、」
「全然わかんねえ…」
「九条優哉!」
「っわ!な、なんだよ」
急に叫ばれたら驚くに決まってんだろ…。
俺を呼んだらしい佐賀野は、若干怒っているようだった。
「お前が呼んでも気づかなかっただけだろ」
「マジか。…で?何か用?」
そう聞けば、急に佐賀野達は真剣な顔になった。
これから、何を言われるんだ…?