あぁー…気持ちいいー…


いつもこんな天気ならいいのにな…。


そしたら少しは気分が晴れるのに。




「──っ今…何時だ…?」



俺は暖かい陽射しを浴びながら目を覚ました。


むくっと起き上がって伸びをする。


……ボキボキッと骨がなってしまった。




「さーて、教室戻るか」



ポツリ、呟く。


廊下をダラダラ歩きながら、時間を見ようとポケットに手をのばす。



───が、


あれ、ケータイが…



「……ない」



サァアアっと顔が青ざめていく。


や、ヤベー…。


マジヤベーよ…。


あのケータイ、母さんとか親父の名前入ってんのに。


あとは、兄ちゃんとか…。


全部本名で登録してある。


どこで落とした?


屋上?……い、いや、最後に確認したからあそこはちげぇ。


つーことは、教室か?



「もう、そこしかねぇか…」



俺は再び教室に向かって歩きだした。