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悲劇は、龍太郎入学前に遡る。

まだ中学生、己の行くべき道が見つからず、闇雲に拳を振り上げ続ける丹下 龍太郎。

この世界では、姉の雛菊は弟を救う事はできなかった。

必死の説得にも龍太郎は応じず、天神学園高等部に入学する事なく、中学卒業と同時に家を出る。

その後音沙汰なく、時折雛菊の耳に届くのは、夜の繁華街で暴力沙汰を起こしては警察に追われているという、すっかり闇に染まった弟の噂ばかり…。