もしかして草宮…!
あたしは急いでケータイを見た。
「…あれ?竜矢さん?」
しかもメールじゃなくて電話。
まだ草宮見つかっていないのかな…?
あたしは電話に出た。
「もしもし…?」
『乃香さん…、いきなり電話をかけて申し訳ございません…』
竜矢さんの声は暗く感じた。
「竜矢さん、どうかしたんですか?」
『乃香さん今から言うことは驚くと思いますが本当のことです…』
「え…?」
『実は…』
あたしは頭の中が真っ白になった。
ケータイが手から落ちた。
「うそ…」
手は震えていた。
『名央さまが病院に運ばれたんです…』
うそでしょ…?
草宮…
………………………………………
あたしは竜矢さんから病院を教えてもらい向かった。
病院に着くと真央くんたちがいた。
「真央くん!」
「乃香ちゃん…」
真央くんは涙を流していた。
実央ちゃんはイスに座って顔を隠し泣いてて、理央くんと礼央くんは顔を下に向けていた。
「一体…何があったの…?」
「それについては俺から説明する」
「え?」
振り返るといたのは不審者だった。
「なんであんたが…?」
「ワイルドくんは俺のことをかばったんだ…」
「え?」
草宮が不審者をかばった…?
「俺のこと恨んでるやつがいて俺はそいつらに囲まれてたんだ、最初は2人しかいないと思ったけどもう1人仲間がいた」
「まさか…」
「そのもう1人の仲間が俺の後ろから襲いかかろうとした、だけどワイルドくんが突然現れた…」
それで草宮が…
「急いで救急車は呼んで病院に運んだ、今は治療を受けている…」
「そっか…」
「皆さま」
すると竜矢さんが現れた。
「竜矢さん!名央兄はどうなったの!?」
「大丈夫だろうな!竜矢さん!」
真央くんたちは竜矢さんに駆け寄る。
竜矢さんの顔は悲しげだ。
「一命はとりとめました、東条さんの処置が早かったおかげで…」
じゃあ草宮は大丈夫…
「だけど、いつ目を覚ますかはわからないんです」
「え…?」
竜矢さんは片手を顔に当てた。
「お医者様の話によると命は助かっても目を覚ますのがいつかわからないそうなんです…」
顔に当てた手の下から涙が流れてくる。
「もしかしたら一生目を…」
「そんなことはない!」
「乃香さん…」
あたしは竜矢さんのとこに行きブラウスの襟を掴んだ。
「草宮は絶対に目を覚ます、明日には目を覚ましてるんだから」
「乃香さん…」
「竜矢さんだってわかってるでしょ、草宮は絶対に目を覚ますって…」
竜矢さんだけじゃない…
真央くんたちだってそう信じてる。
「信じるからあたしは」
「はい…、乃香さん…」
そしてあたしたちは草宮のいる病室に行った。