「進路指導、どうだった?」

そんな自分を隠す様に話題を変える。
タケルはあたしの違和感に気づかないふりをしてくれた。

「うん。決めたよ」
「U大、推薦もらえるの?」
「いや、推薦は断った。地元のY大行く」


衝撃というのは、どうしてこう重なるのだろう。

あたしはタケルの発した宣言に、声を無くした。


地元の、大学?


「な・・・・・・んで?サッカーは?」
「サッカーは高校で辞める。サークル程度でするとは思うけど」

「プロになるわけじゃないしな」、そう言ってタケルは少し笑った。

「香は、K女子なんだろ?」
「え?」
「マスから聞いたよ」

さっきのタケルの言葉を思い出す。
増岡君から聞いた、というのは、このことも含めだったんだ。