どういう意味だろう。ゆっくりと回転する頭に合わせて白い息を吐く。
寒いな、そう、頭のどこかで思った瞬間だった。
「コウちゃん!」
ぐいっと腕が引っ張られた。
あたしは瞬きを忘れたまま引っ張られた方向を向く。
そこには、頬を赤く染めた増岡君が立っていた。
「俺、コウちゃんの事、好きだよ」
それは真っ白な息と一緒に、あたしの頭を白く染める。
意味がわからない、と思うことも、できない。
「・・・・・・え?」
かすれた声が出た。
声が出た事に驚いた。
あたしは、自分の全機能が停止してしまったと思っていたから。