高2の夏に告白されてから、あたしは何人かに立て続けに告白された。
その度に断るのも心苦しかったが、断るしかないからあたしは何度も「ごめんなさい」と繰り返した。
タケルの人気も相変わらずだった。でも、前ほど気になっていない自分もいた。
あたしは俯くことなく、タケルの学校に行ける様になった。必然的に、タケルの友達とも仲良くなっていった。
新しい世界は居心地がよかった。
「コウちゃん?」
それは、高2の冬だった。
タケルの部活が終わるのを待っていたあたしに声をかけたのは、増岡君だった。
「タケルは?」
「あ、あいつ今日、進路指導。聞いてなかった?」
「進路指導・・・・・・」
聞いていたような、聞いていないような。
あたしたちは、あまり進路に関する話をしていなかった。
タケルはサッカーの強いU大学に行くと思っていたし、あたしもU大学の近くのK女子を受けようと漠然と考えていた。
そこだったら親戚もいるし、親も下宿を許してくれると思っていたから。