髪の毛をタケルと同じ色に染めた高2の夏。あたしは、初めて男の子に告白された。
驚いた。あたしの事を好きだという男の子がいるんだと、真剣に思った。
「・・・・・・ごめん、なさい」
でも断るしかなく、あたしは戸惑いながら小さく頭を下げた。
告白してきたのは、隣のクラスの男の子。名前は知らないけど、顔は知っていた。バスケ部で、どちらかといえばクラスの中心にいる様な、そんな子だ。
そんな子があたしなんかを好きになる事も驚いたが、あたしがもっと驚いたのは、彼が次に言った言葉だった。
「彼氏とか、いるの?」
「あ・・・・・・うん」
「他校?うちじゃないよね?」
「そう、だけど」
「もしかして・・・・・・君嶋タケル?」