「遊?千紗!?」


パパがあたしの姿を見て大きな声を出した


「ママ!千紗が!」
「何よぉ」


ママがリビングから出てきた


「え....」


そりゃ驚くよね、だって顎から血が流れてるんだから


遊が家から出て行ったあと、パパがくる前にまた顎をこすりまくった


もう、顎の感覚がない


「はぃ、終わり」


ひとまずリビングに連れて来られて、ママが手当してくれた


ガーゼが貼られた顎を摩って下を向いた


「何があったんだ?」


パパがあたしを疑いの目で見てきた


やばい、もしあたしがここで真実を話せばどうなる?


彬ちゃんがパパに締められる


そんなのダメ、彬ちゃんが悪いんじゃないんだから


「なっなんでも?ただ痒くて掻いたら血が出てきただけだよ」


あははーと笑ってるとパパが笑い始めた


「かきすぎだ、今度から気をつけろよ」


ポンポンと頭を撫でてリビングから出て行った


あたしも部屋に戻りと言ってリビングを出た