「間抜け顔」

あたしのほっぺを優しくつねって柔らかく笑った


「んー離してぇ」


無理やり彬ちゃんの手をじぶんの頬から離した


よかった、普通の彬ちゃんだ


彬ちゃんどこも怪我してない


「ずいぶんまたしちまったな、今から行くか」


彬ちゃん手あたしの手を掴んで優ちゃん達をみた


あたしは彬ちゃんに夢中で裕美達の存在を忘れていた


「そういえば、彬ちゃんの私服かっこいい!」


にっこり笑うと彬ちゃんはあたしの頭を撫でた


"ありがとう"とでも言っているかのように


決して彬ちゃんはあたしの私服をみて何も言わないけれど、あたしはそれでも満足だった


そりゃー可愛いとか言われてみたいけど、でも彬ちゃんがそんなこと言ってくれるはずもなく、あたしは彬ちゃんの隣を歩いていた


遊園地について私と裕美のテンションが上がった


彬ちゃんから手を離して裕美とはしゃいだ


「あきちゃ.....」


振り返って彬ちゃんを見るとあたりをキョロキョロ見渡していた


何をみてるの?


まだなんか心配事でもあるの?


「千紗~あれ乗ろうよぉ」
「うん!いいよ」

あたしは裕美と一緒に行動して、彬ちゃん達のことを気にしないようにした