「もしかしたら抗争でどっちかが死ぬかもしれない。」


死ぬ?だれが?彬ちゃん?直ちゃん?


「彬ちゃんは死なないよ。絶対死なない」


あたしを一人にしない。


あたしはまだ何もわからない


抗争がどんなのか


彬ちゃんがどれだけの人たちの上にいるか


ナンバーワンがどれだけ大変なのか


何も知らない


知らないからこそ怖い


「彬ちゃんはあたしに自分のことを話してれるかなぁ?」
「信じてたら話してくれるよ」


裕美がニコッと笑った


信じてたらかぁ


あたしは絶対彬ちゃんは負けないと思う


だって、県でナンバーワンを争うほどの強いチームなのだから


いつかは彬ちゃんと直ちゃんのナンバーワン争いが始まるだろう


それまで彬ちゃんが力を発揮できるように支えるんだ


あたしは彬ちゃんを1番近くで支えてみせる


「今はここまでしか言えない、いつか彬人から教えてもらいなね」

裕美は布団を顔まで被って眠りについた


私は眠れなくてずっと考え事をしていた