「あたし怒ってるんだからね」


彬ちゃん何にもしゃべってくれないんだもん


「ごめんな」


謝られてもあたし知らない


だって、謝るってことはまだ何も言えないってことなんでしょ?


本当は聞きたい、聞きたいけど聞けない


この気持ちはどこへやればいいの?


「彬ちゃんいこっか、みんな心配してるよ」


彬ちゃんに背を向けて歩き出す


だめだなぁ、こんなので不安がってたらこれから先どうなるんだろう


そのまま話もしないまま帰ってきた


「千紗どうだった?こわか....なんで彬人いるの?」


どうやら雄ちゃんは来ていないみたい


「彬ちゃん、雄ちゃんは⁉」


彬ちゃんの服をつかんで揺すった


「俺はここだよ」


後ろから雄ちゃんの優しい声が聞こえてホッとした


この時あたしはどこかで察していたのかもしれない


あたし達のみに起きている最悪の事態を....


彬ちゃん、あたしに何を隠してるの?


あたしには言えないこと?